The days with Philippe Baudelocque in Paris – エルメス パリ左岸店でのライブドローイング
2019年4月13日 Paris
フランス人チョークアーティスト、フィリップ・ボードゥロクのライブドローイングがパリで行われました。
会場はエルメス パリ セーブル店(左岸店)。
彼がエルメスと長期的な契約を結び、そのスタートとして彼の絵が左岸店のショーウィンドウや店内を飾り、ライブドローイングとサイン会が行われることになりました。
その瞬間を目撃するため、REC翻訳担当の私は、代表としてパリを訪れました。
幸運なことに、エルメスでのドローイングのみならず、街の中の彼の作品たちもたくさんこの目で見ることができたパリでの4日間。
今日から数回に分けてレポートをお届けします。
1日目
パリ7区のエルメス左岸店を訪れました。
ショーウィンドウにフィリップの作品が。
期待が高まります。
エントランスからすぐに、フィリップがドローイングしている姿が目に入りました。
彼が向き合う大きなキャンバスには、シクラメンの花たちが。
足を止めてドローイングに見入る買い物客たち。
私が見た限り、前を通った全ての方が立ち止まってドローイングを眺めたり写真を撮ったりしていました。
京都で行われたFUSION展の作品は動物がモチーフでした。
このシクラメンの花の絵は一見するとFUSIONシリーズよりも抽象的なモチーフが削がれていましたが、一枚一枚の花びらや葉茎の繊細なラインとそのグラデーションに、彼の言う宇宙に繋がる深遠さの確かな存在を感じ、胸が熱くなります。
デンマークから、プレソラマガジン編集長のピーターも駆けつけました。
エルメス左岸店の建物は元々プールだったらしく、1階と吹き抜けの地階からなる、ユニークな構造です。
とても広い店内には、本のセレクトコーナーやカフェもあります。
入ってすぐのPetit H シリーズの商品棚の壁はフィリップのドローイングで埋め尽くされていました。
フィリップのエルメスとのコラボレーションはこのシリーズから始まります。
フィリップの活動にインスパイアされて作られた、Petit H製のチョークホルダーとキャンバス。
フィリップをフィーチャーした店内のデコレーション。
テーブル一面のチョークに、自由に描ける黒板も。
「目で触ってね」とのメッセージ。
店内のあちこちにフィリップの作品が。
本のセレクトコーナーでも、プレソラマガジンの別冊本、フィリップの「FUSION」がフィーチャーされていました。
15時からは階段下のスペースに場所を移してブックサイニングが行われました。
絵を描きながらもたくさんのお客様に丁寧に対応していたフィリップはランチを取る暇もなく、サイン会がスタート。
京都・妙心寺退蔵院での「FUSION EXHIBITION」でFUSION BOOKをご購入くださった方はご存知だと思いますが、彼のサインは、とても丁寧に時間をかけて描かれます。
だからサインの行列はなかなか進みません。
それでもお客様は皆、自分の順番を楽しみに嬉しそうに並んでいました。
結局閉店の19時までサインを待つ行列は尽きることはありませんでした。
疲れを見せず、どこまでも丁寧にサインを描くフィリップに、誰もが”He’s patient.” と感嘆のため息を漏らしていました。
※patient=根気強い、動じない。
パリのキャンドルメーカー、Diptyqueのディレクターの女性や、マレ地区のギャラリーオーナーの方など、この日はいろいろな方がフィリップに会いにやってきていました。
たくさんのお客様が来られ、絵を描く時間が充分に取れなかったため、フィリップは予定を変更してライブドローイングの作品を定休日明けの月曜に描きあげることに。
左岸店の不思議と開放感のある店内の非日常の中、彼の作品に囲まれたとても贅沢な時間が終わりました。
彼がとても広い視野で今後を見据えていること、そしてまだまだ続く各方面とのコラボレーションの予定……
また少しずつお知らせできることかと思います。